私たちの思い

看護管理を「難しい」「大変な」ものから、「楽しい」「希望のある」ものに変えていきたい…。私たちはそんな思いを持って取り組んでいます。

代表メッセージ

私たちは「看護に誇りと喜びを」を理念とするチームです。

「看護管理を楽しいものに」との思いから、看護管理を支援するサービスや、管理者教育のプログラムを開発して参りました。

様々なご縁を得て、2015年度~2017年度には文部科学省委託事業「看護管理者の院内継続教育の推進」(代表機関:日本赤十字社医療センター)に参画し、2018年度からは有志で「持続可能な看護組織を考える研究会」を立ち上げて、実践的な研究開発と普及広報を進めてきました。また、2018年秋からは東京都中小企業振興公社の「革新的サービスの事業化支援事業」の助成を得て、MCアプリの開発も進めて参りました。

ここに紹介したマネジメント・コンパス(MC)は、多くの方の支援・協力・協働の中で、試行錯誤を経て形になってきたものです。

安定したサービスとして持続的に運営し、学習のために必要なコンテンツ・プログラムを開発するためには、事業として成り立たせる必要があり、このたび有償サービスとしてリリースすることになりました。ビジネスとして構築しつつも、理念を忘れず、共に学び、お世話になっている方々への感謝を忘れず、看護に携わる方々に少しでも貢献できればと思っております。

有限会社ノトコード代表 平林 慶史

01 看護に誇りと喜びを

なぜ、看護なのか。

私は、大学の教育学部で「ケアワーカーのストレス」を研究テーマとしていました。ある日、インターネット上に「長く受け持った患者さんが亡くなって、泣きながらお見送りもしたのに、数時間後には焼肉屋でビールを飲んで笑っている自分がいて、よくわからなくなる」という看護師の書き込みを見つけたのです。深く関わってみると、高度化する医療の現場で緻密な段取りを求められ、患者の傍では優しい「天使」であることを求められ、常に「病」や「死」に近い所で感情を揺さぶられながら働く̶̶、そんな看護師の置かれる状況が見えてきました。

現場で医療に貢献はできないけれど、感情をすり減らしながら看護現場で働く人たちの役に立つことはできないか。そんな思いから看護の問題に取り組み始めたのです。


看護に誇りと喜びを

看護業務の対価は、主に看護必要度や人員配置から算定される入院基本料として支払われます。それゆえに経営の観点からは、看護師が「よりよい看護実践」を目指す営みが重視されにくい構造であり、定員を充足させるための好条件の広告がインターネットを賑わせています。

しかし、現場で医療の中核を担っている看護師は、日々「よりよい看護実践」を目指して頑張っています。そんな看護師たちが、自分の仕事に「誇り」を持ち、「喜び」を感じて働いてほしい̶̶。それが私たちの思いです。

02 手段にもっと自由を

「手段」にとらわれていないか。

私たちは、組織改善や広報支援のコンサルティングを事業としています。そこでいつも行っているのは「目的」と「手段」を切り分けること。「うまくいかない取り組み」の多くが、「何のために」という目的を見失い、「やること=手段」にとらわれてしまっているのです。

会議で物事が決まらない、研究計画をうまく組み立てられない、そんな行き詰まりの多くが「そもそも何のためにやるのか?」という問いに立ち返ることで解消します。私たちは、多くの組織の取り組みがより目的志向で効果的なものとなるよう、少しずつ支援していきたいと考えています。


「問題解決力」が売り物です。

私たちは、特定の商品・サービスを提供するチームではありません。私たちが提供するのは「問題解決力」です。それはすなわち、クライアントの抱えている「困難」や「悩み」を、解決可能な問題(problem)に落とし込み、その解決策を共に考えることです。

様々な医療機関・組織に関わることで培った、豊富な解決策の引き出しを駆使して、問題に合った解決策を設計するのです。特定の商品・サービスにこだわらず、問題に応じて手段を自由に考えられることこそが、私たちの強みなのです。

03 行動を変える仕掛け

様々な「仕掛け」や「道具」で、行動や組織を変えていく。

スタッフはもちろん、管理職の意識を変えるのも簡単なことではありません。変えた方が良いとわかっていても、なかなか変われないものです。そこで私たちは、様々な「仕掛け」や「道具」を使って、行動を変えるアプローチを考えました。

例えば、文章をうまくまとめられない人も、研修会で簡単な枠組の紙を配ると情報を整理して書くことができます。普段は部下を褒められない管理職も、可愛いシールがあれば、良い記録を書いている人に賞賛の気持ちを伝えることができます。

ちょっとした仕掛けと道具で、職場を少しずつ良くしていく̶̶。地味ですが、着実に組織を変える方法なのです。


「ノトコード」という社名の由来。

ノトコードは、「脊索」と訳される胎児の一時期にのみ存在する器官です。赤ちゃんが胎内で成長していく過程で形成され、脊椎の発達を導く重要な役割を果たしますが、脊椎が形成されるとその役割を終えて消滅していきます。

私たちもクライアントの成長・発展を導く役割を担いますが、結果として自律的に成長・発展できるようになれば、その役目を終えて身を引くことが大切だと考えています。その思いを、"notochord"(脊索)と "not of cord"(当たり前にとらわれない)という掛け言葉に託して、社名としました。

04 管理を楽しく希望のあるものに

私が大学院生の頃は若い看護師のヒアリングをすることが多く、「婦長さん」と言えば凄腕のちょっと怖い存在...というイメージでしたが、看護管理者の教育や支援に関わるようになると、組織とスタッフの間に挟まれ、相談できる仲間も少ない中で、へこたれそうになりながらもなんとか頑張っている師長さん・主任さんの姿が見えるようになりました。自分自身も小さな組織のプレイングマネジャーとして悩むこともあり、看護管理者と同年代に差し掛かるにつれて、「管理の仕事にも、誇りと喜びを心から感じられるようにしたい」という思いが強くなってきました。

思えばこの十数年の間に、看護師を取り巻く支援環境は(仕事自体は大変になっているものの)かなり充実してきていると感じます。しかしその分、看護管理者にかかる負担や歪みはむしろ増えているかもしれません。本プロジェクトの会議でも「多忙で疲れている師長の姿を見て、自分も管理者になりたいと思えない中堅が多い」という指摘がありました。次世代の管理者の教育体制を整える必要があるのはもちろんですが、まずは今の管理の担い手が楽しく活き活きと働けるようにし、看護管理者を魅力的な仕事にしなければならない...そう感じさせられたのです。

だからこそ、このプロジェクトで実施した研修やセミナーは、「管理者が楽しく学べること」や「管理者の気持ちが楽になること」を大切にしました。看護管理を「難しい」「大変な」ものから、「楽しい」「希望のある」ものに変えていきたい...。そんな思いを込めてきたつもりです。

05 看護の力を、管理に活かす

看護師は普段から、時に客観的なデータも活用しながら、五感を働かせて患者をよく観察し、その「気づきの力」を活かして看護実践を行っています。

たとえば、禁煙指導の際には「どんなときにタバコを吸いたくなりますか?」と聴き、吸いたくなる場面に応じて、「Aの場合は~~をしましょう」「Bの場合は~~で気晴らしをしましょう」といった個別的な関わりをするでしょう。また、アルコール依存の人に対して、飲酒したことを頭ごなしに叱るのではなく、飲酒してしまう気持ちにも寄り添いながら、少しずつでも飲酒機会を減らすために、一つずつ丁寧に支援していくことができます。
このように看護師は、患者に個別的に寄り添いながら、一つひとつの問題を具体的に支援して、ともに解決するというアプローチを大事にしているはずです。しかし、スタッフや同僚のことになると、なぜかその丁寧なアプローチを忘れてしまう人が多いように感じます。つい過大な期待をしてしまったり、正論を押し付けたりして、一つずつ丁寧に当事者に寄り添いながらアプローチするのが面倒だと感じてしまうようです。

看護という営みは、最終的には看護師というひとが、患者というひとに対して、臨床の場で関わる行為が核となっています。看護師が患者に接するときのように、看護管理者も、様々なデータや情報を活用しながら、五感を働かせてスタッフやチームをよく観察し、その「気づきの力」を活かして人や組織をケアすることが求められているはずです。

「マネジメント」という横文字に踊らされることなく、「看護」というアートの力を看護管理にも活かし、看護管理者が誇りと喜びを持って、楽しく仕事に取り組んで欲しい――そんな思いが、このプロジェクトの根底には流れているのです。